こんにちわ。 わかくさ整骨院高松院の西山です。 ここ最近、気温も高くなって過ごしやすい日が続いていますね。
前回、骨折の種類についてかいていきましたが今回は骨折によって起こる症状、続発症について書いていこうと思いますのでよろしくお願いします。
1 骨折の固有症状について
2 骨折の併発症(合併症)と続発症
3 骨折の後遺症
この流れで書いていきますのでよろしくお願いします。
① 異常可動性(異常運動)
骨折部における可動性で、特に長骨の完全骨折などに著明に現れます。骨折したと思われる個所を動かすと関節のように骨が動くものをいいます。
異常可動性を証明しにくい骨折として
・不全骨折、亀裂骨折、若木骨折、陥凹骨折、竹節状骨折、骨膜下骨折
・圧迫骨折
・噛合骨折
・関節付近の骨折:関節運動と異常可動性との判別がしにくい。
② 軋轢音(あつれきおん)
異常運動の際に骨折端が互いに触れ合って出す音のことをいいます。ただし、耳で聴こえるものではありません。
③ 転位と変形
骨折によって骨折端は互いにずれたり曲がったりします。この骨の位置が変わることを転位といい、この転位によって外見上の変形が現れます。
1)発生機序による分類
(1)一次性転位:骨折を起こしたときの力がそのまま骨折端を移動させたもの
(2)二次性転位:一次性転位の後に加わる力によってさらに骨折端を移動させたもの
2)形状による分類
(1)側方転位:骨折して一方の骨片が骨長軸上から側方に移動したもの
(2)屈曲転位:一方の骨片が骨長軸に対して一定の角度をもって移動したもの
(3)捻転転位:骨が長軸上で一定の回旋を生じたもの
(4)延長転位:骨折端が骨長軸で離開して骨の長さが増加したもの
(5)短縮転位:骨折端が骨長軸上で短縮して、骨の長さが減少するもの。一方の骨折端
が他方の骨折端に噛み合う嚙合骨折がそれにあたります。
2 骨折時の全身症状
1)ショック
ショックとは急性循環不全による末梢循環不全によって酸素運搬低下と組織酸素代謝失調が起こり、組織、細胞が恒常性を維持できなくなった状態をいいます。
② ショックの種類
骨折時のショックとしては神経原性ショックや出血性ショックなどがあります。
③ ショックの症状
顔面蒼白で口唇はチアノーゼを呈し、手足は冷たく、全身に冷汗が出て、脈拍は小さく速くなり、ときには触れなくなり血圧も低下し目はうつろで輝きがなくなります。生あくびがでて気分が悪くなり意識がもうろうとなり最後に昏睡に陥ります。
2)発熱
骨折数時間後に37℃~38℃の発熱をみます。これを吸収熱といい、骨折血腫やその他の組織分解物の吸収のために発生するもので数日で平熱に戻ります。
骨折と同時あるいは治療経過中に発生するもので治療の結果である予後に影響を与えるものをいいます。合併症には骨折を起こした外力そのものや骨片転位などによって発生する併発症とがあります。
また、骨折治療の経過中に骨折部の影響や治療法の不備などによって発生する続発症と治療終了後も永続的に障害を残す後遺症があります。
1)併発症
① 関節損傷
関節構成組織である靱帯、関節軟骨、関節包、滑液包などの損傷を合併することをいいます。脱臼が伴えば脱臼骨折、また損傷部が関節面にある場合は関節内骨折といいます。
関節内骨折は、小児では成長障害、成人では変形性関節症など予後に問題を残すことが多く長期にわたり慎重な経過観察が必要となります。
② 筋・腱などの軟部組織損傷
骨損傷を起こした外力や骨折端によって、骨損傷と同時に筋、腱、皮膚など軟部組織の損傷を合併していることが多く、骨損傷に大きな影響を及ぼします。
皮膚が骨折端により損傷されると、開放性骨折となり細菌感染のおそれがあり、その予後は骨折の遷延治癒や偽関節といった大きな問題を残す可能性が高くなります。
骨折に限らず、重篤な筋挫滅を伴う外傷の場合、急性腎不全が発生することがあり、ショック後に乏尿、ヘモグロビン尿、ミオグロビン尿のほかに蛋白尿、アシドーシス、全身浮腫などが起こり、予後はきわめて悪くなります。(クラッシュシンドローム)
③ 内臓損傷
鎖骨骨折では肺損傷、肋骨骨折では肺、肝臓、脾臓、腎臓損傷、骨盤骨折時には尿道、膀胱、直腸壁の損傷が合併することが多い。
④ 脳脊髄損傷
脳頭蓋、顔面頭蓋の損傷は脳の損傷、脊椎の損傷は脊髄損傷を合併することが多い。
その他は血管損傷、末梢神経損傷などがあります。
2)続発症
① 脂肪塞栓症候群
骨折時、脂質代謝が変化して血液中の脂肪が脂肪滴になり骨損傷部から流出した骨髄脂肪の小滴が血管内に入り込むものと考えられます。大腿骨や骨盤骨損傷後、あるいは多発骨折時にみられます。
受傷後1~3日間に起こり、初期は発熱、頻脈がみられ皮膚では点状出血斑がみられます。肺塞栓では頻呼吸、呼吸困難やチアノーゼ、脳塞栓では頭痛、不安感、意識障害、嘔吐、痙攣、心塞栓では心悸亢進、血圧降下などが起こり、ときとして死の転帰をとることがあります。
② コンパートメント症候群
四肢の筋、血管、神経組織は強靭な筋膜、骨間膜、骨組織によって囲まれていてこの空間を区画といいます。
骨損傷、筋損傷、血管損傷などによりこの区画内の組織内圧が上昇し組織の循環不全が生じ、筋、神経組織の機能障害をもたらすものをコンパートメント症候群といいます。
発生部位は前腕の屈側部、下腿部に多くみられます。コンパートメント症候群の主症状は阻血の症状(疼痛、感覚異常、蒼白、脈拍微弱)が認められた場合には早期に区画内の減圧と循環の改善を図るため速やかに固定の除去を行い筋、神経組織の壊死の発生を防止しなければなりません。
上腕骨顆上骨折などに合併してみられることがあるフォルクマン拘縮もコンパートメント症候群の一種である。
1) 過剰仮骨形成
仮骨が過剰に形成されて、その吸収が少ないかあるいはまったく吸収されない場合をいいます。関節付近の骨折でとくに過剰仮骨形成が強く、関節運動障害を生じたり、神経の圧迫や伸長によって神経損傷を起こしたり、血管を圧迫して循環障害を起こすことがあります。
2)偽関節
骨折部の骨癒合機序が完全に停止したものをいいます。骨折端の髄腔は閉鎖されて、両骨折端は隔離して硬化します。骨折端の間隙は繊維組織または軟骨組織で占められて多くは骨癒合遷延から偽関節に移行します。一般的には、6ヵ月以上経過して異常可動性が明瞭な場合は偽関節とみなされます。偽関節のほとんどが外科手術の適応となります。
3)変形治癒
骨折端が転位を残したまま骨癒合した状態。解剖学的に正常な形に修復されず自家矯正力を越えた転位を残したまま癒合した場合には変形治癒となります。その結果、機能障害を残したり、外観上の変形を呈することがあります。変形治癒の原因の多くは不正確な整復や不適当な固定によって、正しい整復位が保持されなかったことによります。
4)骨委縮
① ズデック骨委縮
有痛性骨委縮で骨損傷や四肢外傷後に四肢末梢部に起こりやすく、コーレス骨折、踵骨骨折後によくみられる。 血管攣縮によるもので交感神経障害と考えられています。発症部の運動機能障害、疼痛、腫脹があり、関節拘縮が出現し、他に爪の萎縮などがみられます。
② 外傷性骨化性筋炎
筋繊維の骨化現象であり、外傷に関連して筋組織内、骨膜外などに貯留した血液が血腫を形成してこれが吸収されずに骨化が生じることがあります。初期には局所の腫脹、疼痛、熱感および運動制限がみられます。
③ フォルクマン拘縮
阻血性拘縮ともいい、外傷のために生じた前腕筋の阻血性循環障害で、小児の上腕骨顆上骨折にもっとも多く、骨片転位の未整復、過度の腫脹、固定包帯の過度な締め付けなどによって前腕屈筋群に血行障害が起こり、急速な退行性変性(組織や組織の一部が機能や形態的な変化を起こし、元の健康な状態から後退すること)をおこして発生します。
筋が線維化し短縮(蝋用変性)し不可逆性変化(元の状態に戻れない)が起こると重度の後遺症を残し種々な処置を行っても再び正常な機能を得ることは困難となります。
受傷後24時間以内に始まり、前腕に強い浮腫、自発痛、蒼白、脈拍消失、運動麻痺、感覚麻痺などの阻血症状が現れて、手関節軽度屈曲、中手指節関節は過度伸展、近位指節間関節及び遠位指節間関節はともに屈曲し、屈曲拘縮は第3指に強く出現します。
一夜にして現れ、一生治らないため、徴候出現の際には固定を緩めてただちに専門医に託します。
その他には、関節運動障害(強直、拘縮)などがあります。
最後に
骨折といっても様々な種類があります。骨折後に適切な処置を受けて安静にすれば、治りも早く後遺症等も残りにくくなります。 当院でも骨折後の治療で通院されている患者さまもいますので、疑問や質問があればお気軽にご連絡いただければ対応いたします。
わかくさ整骨院高松院
診察時間
月~土曜:AM 8:30~12:00
PM14:00~19:00(土曜 18:00まで)
休診日
水曜午後、日曜、祝日(お盆、正月休みも含む)
住所:高松市元山町1164-8
電話:
087-868-4870