骨折の種類と症状について①

こんにちは。わかくさ整骨院高松院の西山です。まだまだ日中の寒暖差が激しいですが体調など崩していませんか? 

 今回は、骨損傷(骨折)について2回に分けて書いていこうと思いますのでよろしくお願いいたします。1回目は骨折の分類や骨折線について詳しく説明したいと思います。

1 骨損傷とは
2 骨損傷の分類(性状と程度)
3 骨折線・骨折の数・骨折部と外創の有無

この流れで書いていきますのでよろしくお願いいたします。

1 骨損傷とは

 骨の損傷で骨折は骨組織の生理的連続性が完全あるいは部分的に離断されている状態と定義つけられています。

 骨損傷を起こした骨自体が正常組織であるか病的であるかによって、外傷性骨折と病的骨折に分けています。

骨に関わる力として、大きく急性と亜急性に分けられます。

1)急性
 転倒・転落といった日常生活上での突発的原因に加えて、交通事故、労働災害、スポーツなどの現場で発生します。

 一度に加わった直達あるいは介達外力で発生します。損傷の程は加わった力の大きさ、加速度、方向性、身体の基礎状態といった種々の因子によってさまざまです。

 一般的に亜急性と比較して損傷は高度で、また原因が明らかであるため損傷を見逃すことは少ないです。

2)亜急性
 労働やスポーツの環境に加え、高齢者社会といった社会的問題を基礎にした荷重不均衡状態、静学的機能不全が大きく関与しています。

 反復・継続される直達あるいは介達外力が原因となることが多く、年齢以外の基礎状態も大きく関与します。


 

2 骨損傷の分類(性状と程度)

 骨折は骨の性状、骨損傷の程度、骨折線の方向、骨折の数、骨折と外創との交通の有無、外力の働いた部位、外力の働き方、骨折の部位、骨折の経路などによって分類されます。

①骨折の性状による分類
1)外傷性骨折
 正常な骨に外力が作用して、骨組織の連続性が完全あるいは部分的に離断されたもの。

2) 疲労骨折
 一度だけでは骨折を起こさない程度の外力が持続的に作用するか、一方向に衝撃性外力が繰り返して作用し、それが集積されて発生するもの。

 金属の疲労現象に似ていて、スポーツ選手が長時間の疾走や跳躍などの練習を繰り返すことによって、筋の骨にたいす対する反復作用や地上からの律動的な衝撃のために、正常な骨に損傷が生じて、やがて骨膜反応が起こりはっきりとした骨折が認められるようになります。 中足骨、脛骨、腓骨、肋骨などに発生する。

3)病的骨折
 骨に基礎的な疾患があって骨組織が脆弱になっているときに、正常な骨なら骨折が起こりえないような外力によって発生するものをいいます。

 病的骨折の誘因となる基礎的疾患
 (1)局所的誘因:転移性骨がん、骨肉腫、骨嚢腫、化膿性骨隨炎、骨巨細胞腫など
 (2)全身的誘因:くる病、骨形成不全症、大理石病、高齢者の骨粗鬆症など

②骨損傷の程度による分類
1)完全骨折
 骨損傷によって骨組織の連続性が完全に離断されたもの

2)不全骨折
 一般的にヒビともいわれ、骨の一部が損傷されて一部がなお損傷を受けずに連絡を保っているもの。骨の形態や年齢によって特有の骨折型を呈します。

① 亀裂骨折(氷裂骨折)
 氷やガラスに生じるヒビと同じような状態となる。頭蓋骨、肩甲骨、腸骨などの扁平骨に発生します。

② 若木骨折
 長骨に発生した骨が屈曲したもので、若木を折り曲げた状態に似ています。幼小児の鎖骨、前腕骨に発生します。

③ 竹節状骨折
 圧迫によって骨の一部を押し潰し骨折部が輪状に隆起して竹節状になる。幼小児の橈骨遠位端部に発生します。



④ 骨膜下骨折
 骨質は完全に離断しているが骨膜の離断されていないもので、生理的な骨形状を保ち骨折線の確認できるものをいう。幼小児に多く発生るすのは骨膜が厚く弾力性に富み、骨膜から容易に剥離するためである。幼小児の脛骨骨幹部に発生します。

⑤ 骨挫傷
 海綿質の微細な骨折をいい、出血、浮腫、局所の血流増加を伴います。単純X線像やCTでの検出は不可能であり、MRIにより検出が可能となります。
 

3 骨折線・骨折の数・骨折部と外創の有無

1)骨折線
 骨に基準となる線を定めて、その基準の線に対する骨折線の走る方向によって分類します。

① 横骨折
 骨折線が骨長軸に対して直角(水平)に走るもの

② 斜骨折
 骨折線が骨長軸に対して斜めに走るもの

③螺旋状骨折
 骨折線が骨長軸に対して螺旋状に走るもの

④粉砕骨折
 骨片骨折より多数の小骨片を有するもので、射創・轢過などの際に強力な外力によって発生する。


2)骨折の数による分類

① 単数骨折(単発骨折)
 1本の骨が1ヵ所で骨折したもの

② 複数骨折(二重骨折)
 1本の骨が2ヵ所で骨折したもの

③ 重複骨折
 1本の骨が3ヵ所で骨折したもの

④ 多発骨折
 2本以上の骨が同時に骨折したもの

3)骨折部と外創との交通の有無による分類

① 閉鎖性骨折(皮下骨折、単純骨折)
 創部と骨折部との交通がないもの

② 開放性骨折(複雑骨折)
 創部と骨折部との交通のあるもの。軟部組織に損傷を受けて、それが骨折部と交通し、酷い場合は骨片が皮膚外に露出します。細菌感染の危険があるため専門医に早急に診てもらう。受傷6~8時間以内のいわゆるゴールデンアワーに適切に創処理を行うことによって一次的に創閉鎖が可能となります。

この他にも、外力の働き方による分類もありますが、今回は省略します。

最後に
 骨折といっても様々な種類があります。 当院でも骨折後の治療で通院されている患者さまもいますので、疑問や質問があればお気軽にご連絡いただければ対応いたします。次回は骨折の症状、固有症状、合併症について書いていこうと思いますのでよろしくお願いいたします。

​わかくさ整骨院高松院
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  • 西山浩太

    このブログの記事は「西山浩太」が書きました。

    尽誠学園高等学校→香川介護福祉専門学校→四国医療専門学校
    2004~2011 デイサービスにて生活相談員従事
    2016~2021 外科医院にてリハビリ業務従事

    国家資格
    柔道整復師
    介護福祉士

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