スポーツ障害について②(下肢編)

こんにちは。 高松市元山町のわかくさ整骨院高松院の西山です。

前回の上肢編に引き続き、今回は下肢に関するスポーツ障害の紹介と対策について紹介していきますのでよろしくお願いいたします。

上肢に比べると下肢のスポーツ障害の方が多くなります。 理由としては体重が下肢にかかり骨や関節に負担がかかる為です。


① スポーツ障害(下肢編)
② 対策と予防
③ ストレッチ紹介

前回のブログにスポーツ障害の説明は書いてありますのでお読みください。

スポーツ障害(上肢編)
https://wakakusa-t.com/blog/20220409_1491/
 

① スポーツ障害(下肢編)


1)腰部

 腰椎分離症
 
 

 主に10代の成長期にみられ、スポーツ時のジャンプや回旋(ひねる動き)などを行うことで腰椎の後方部分に亀裂が入って起こります。

 分離症は1回の外力で起こるわけではなく、スポーツの練習等で繰り返して腰椎を反らしたり回したりすることで起こります。

 一般の人では5%程度で分離症の人がいますが、スポーツ選手では30~40%の人が分離症になっています。

 治療としては発症初期であれば、局所の安静と鎮痛剤などの保存療法が有効です。早期であれば多くの場合保存療法のみで治癒することが期待できます。しかし、上体を後ろに反らすと痛みが誘発される場合にはMRIなどの精密検査が必要となります。

 また、分離症はスポーツで発症するのでまず運動を一時的に中止することが必要となります。腰部の安静を保つためには硬性コルセットを使用していきます。こうした治療により分離した腰椎の癒合と痛みの消失につながります。

 対策しては骨盤周囲のストレッチや背筋、腹筋の筋肉強化訓練を行うことも有効ですが、症状が強く出ている場合は控えてください。腰痛は繰り返すことはありますが、ほとんどが保存療法で改善し日常生活に支障がでることは少ないようです。

2)膝関節
 
 Ⅰオスグット・シュラッター病
 

 オスグット・シュラッター病は10歳代前半の脛骨粗面部に痛みと腫れを生じる骨端症の一つです。スポーツ活動をしている男児に多く見られます。

 脛骨粗面の骨化が完成する以前の力学的に弱い時期に、日常生活動作やスポーツ活動で大腿四頭筋の収縮が脛骨粗面を繰り返し牽引することにより発生します。

 症状しては、ランニングや階段の昇降など大腿四頭筋を強く収縮させる動作時に膝蓋靭帯付着部に限局して痛みが認められます。症状が進行するにつれて脛骨粗面部の膨隆は著しくなり骨性に硬くなることもあります。

 治療法は局所の安静を中心とした保存療法が有効となります。運動時には十分なウォーミングアップを行わせて、運動後にはアイシングを行って炎症の鎮静を図ります。膝蓋靭帯を押さえる装具の使用も有効とされています。


Ⅱ ジャンパー膝

  ジャンパー膝はジャンプを頻回に繰り返すスポーツ選手に多くみられる膝伸展機構のスポーツ障害であり、広くは大腿四頭筋腱炎、オスグット・シュラッター病を含みますが、ジャンパー膝は膝蓋骨下極に生じる膝蓋靭帯炎となります。

 急な加速や減速、ジャンプ、着地などのスポーツ動作の繰り返しにより、膝関節伸展機構に過度の張力が加わり発生する典型的なオーバーユースシンドロームでバレーボール、バスケットボールなどの跳躍を多用するスポーツ種目で多く発生します。

 症状としては膝蓋骨下極部に運動痛、圧痛を認めます。他動的に膝を深く曲げると痛みが誘発されやすく、尻上がり現象が見られる症例も多い。

※尻上がり運動
 ① うつ伏せで寝ます
 ② 膝をお尻向けて曲げていきます
 ③ 曲げた際に太ももの前の筋肉に痛みがある場合股関節が曲がりお尻が上がる現象

 治療法としては患部の安静を保って、大腿四頭筋、ハムストリングスの筋力訓練、ストレッチを十分に行っていくことになります。


Ⅲ タナ障害

胎生期に関節内に存在する滑膜隔壁の遺残したものが滑膜ヒダと呼ばれるもので、膝関節内には膝蓋上滑膜ヒダ、膝蓋下滑膜ヒダ、膝蓋内側ヒダ、膝蓋外側ヒダの4つの滑膜ヒダが存在します。このなかで主に臨床的に問題とされているのは膝蓋内側ヒダで膝関節の屈伸に際して内側膝蓋大腿関節内にはさまれ、疼痛を主とする症状を呈する。これを滑膜ヒダ障害(タナ障害)といいます。若い女性に好発します。

症状は運動時や階段の昇降時に膝前方の疼痛を訴える。 治療法としては階段昇降やしゃがみ込む動作など、膝蓋大腿関節に負荷がかかる動作を禁止し、膝関節伸展位での大腿四頭筋筋力増強訓練や温熱療法を行います。


3)下腿
 シンスプリント
 
 シンスプリントは脛骨過労性骨膜炎とも言い、ランニング、ジャンプ、ターン、ストップなどに伴う足関節の反復性底背屈(足首の曲げ伸ばし)により下腿後面内側筋群に疲労が起こり、これらの筋の伸展性低下を引き起こし下腿後面内側筋群の牽引により脛骨骨膜に損傷や炎症が起こります。さらに足部疲労によるショック吸収能の低下や足部過回内も原因となって起こります。

 症状しては、脛骨内側後縁部に沿った痛み、圧痛を主訴とします。また、扁平足や回内足、膝外反などのアライメント異常がみられれば脛骨過労性骨膜炎を引き起こす可能性が高くなります。脛骨過労性骨膜炎では、単純X線像で異常所見がみられません。したがって、発症後時間の経過したものでは疲労骨折とは鑑別が可能である。

 治療法としては急性期は原因となった運動の中止とアイシング、下腿後面内側筋群のストレッチや手技療法を行います。急性期以後は、温熱療法を筋のスパズム(攣縮)や腫れ軽減目的で行い、同時に下腿三頭筋のストレッチを行います。また、足関節周囲筋の筋力強化も痛みのない範囲で開始します。回復期には正しい動きの再獲得を目的としたトレーニングを行います。
 

② 対策と予防

・休養をとる
 身体を酷使していくにつれ、靱帯、骨、筋肉に負荷が蓄積されていきます。その負荷が限界を超えてしまうと怪我をしてしまいます。

 上記の組織と体力の限界は反比例し、患者自身はまだ活動できると思っていても身体は限界に達しているケースが多いです。

 身体の負荷が蓄積されるにつれ、損傷されている部位に違和感や疲れを感じるようになっていきます。ですので違和感などの兆候が出たら無理せず休養を取るようにすることがスポーツ障害を予防する何よりの対策になります。


・筋力アップと柔軟性改善
 特定の部位に負荷がかかる場合は、その周囲の筋力不足や柔軟性不足が考えられます。また左右の筋肉量のアンバランスになっている場合も考えられます。この状態が続くことによってスポーツ障害になりスポーツパフォーマンスの低下にもつながります。

 バランスのとれた筋力作りと身体の柔軟性向上することで怪我を未然に防いでいく必要があります。


・ウォーミングアップ
 練習や試合の前にはウォーミングアップ(準備運動)をします。 ウォーミングアップをすることにより身体が温まり、筋肉の動きも良くなりパフォーマンスの向上、怪我の予防にもなります。

・栄養
 三大栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質)をしっかりと摂るとともにビタミンやミネラルをバランスよく摂取して疲労回復に努めます。 理想としては、主食、主菜、副菜、乳製品、果物を摂取するのが理想ですが、一度には全部そろえるのはむずかしいかもしれませんのでできる範囲で摂取してみましょう。

・睡眠
 睡眠時に成長ホルモンが生成され、筋肉や骨などの成長を促します。 また疲労回復にも睡眠は大事になります。 また睡眠のゴールデンタイムというのがあって22時~2時までに睡眠をとることによって成長ホルモンの分泌もより促せるようになります。 要は体内時計を適切に保って睡眠時間を確保するということになります。
 

③ ストレッチ紹介

 今回も部活動の前後や自宅でも行える簡単なストレッチを紹介していきますので、ご参考にしてストレッチをしてみてください。


ストレッチをするうえで大事なこと
1 息を止めない。(深呼吸しながら)
2 ストレッチしている筋肉を意識して行う。
3 痛みのない程度で行う。 


胸椎、背筋のストレッチ(腰椎分離症に有効)
1 床に四つ這いになる。
2 1の状態からお辞儀をするように両手を伸ばして倒れていきいける所までいく
3 2の状態でお尻を後ろに引き、背中がストレッチできているか意識しながら
  10秒~20秒キープ





大腿四頭筋のストレッチ(オスグット、ジャンパー膝に有効)
1 正座になって右足を前に出す
2 1の上体で左大腿四頭筋がストレッチできていれば10秒キープ。
3 2でストレッチの効きが悪ければ、上体を倒していきストレッチできている所で10秒       
  キープ。この時、呼吸は止めずに深呼吸を繰り返しましょう



下腿三頭筋のストレッチ(シンスプリントに有効)
1 足を腰幅に開き、ちょうど足のサイズ分ほど右足を出す。
2 両足のかかとを床につけたまま直立姿勢で立つ。
3 両膝をゆっくりと曲げていく
4 左足のふくらはぎとアキレス腱が伸びているとOK。 そのまま15~30秒キープ



最後に
 わかくさ整骨院高松院ではスポーツ障害で来院される患者様も多く、年齢層も様々です。
その中でも中高生の割合がやはり多いのが現状となります。 多少の痛みや違和感があっても我慢して限界がきて来院される患者様もいらっしゃいます。 怪我をする前に治療やケアをしていく事が大切となります。 わかくさ整骨院高松院では、トレーナー資格を所持したスタッフがマンツーマン指導又は少人数で行うトレーニングコースがあります。 現在、テニス、野球、アイスホッケー等の競技者のトレーニングを担当しており、個々に合わせたオーダーメイドのトレーニング内容を作成しスポーツパフォーマンスの向上と怪我をしにくくさせる身体作りを目指し取り組んでいます。また、スポーツ中の怪我に対しても個々にあった治療を行っております。

 部活や競技でもっと活躍したいと思われる方や、怪我をしにくい身体作りをしたいという方、スポーツ障害にお悩みの方は一度ご連絡頂きましたらご相談に応じますのでお気軽にご連絡ください。

 スポーツ障害でお悩み方は下記からご予約下さい。
 https://wakakusa-t.com/calendar.php?menu=518
 
 トレーニングに関しては電話にて対応させていただきます。
 連絡先:わかくさ整骨院高松院 TEL 087-868-4870

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  • 西山浩太

    このブログの記事は「西山浩太」が書きました。

    尽誠学園高等学校→香川介護福祉専門学校→四国医療専門学校
    2004~2011 デイサービスにて生活相談員従事
    2016~2021 外科医院にてリハビリ業務従事

    国家資格
    柔道整復師
    介護福祉士

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