膝の痛みで歩くことにお困りの方へ対処法をお教えします。(ストレッチ、筋トレ運動)

こんにちは。わかくさ整骨院高松院の西山です。

40歳を過ぎた辺りからふとした時に膝がいたくなったり、正座をする際や正座から立ち上がろうとした際に膝が痛くなったことはありませんか?もしかしたら膝関節の疾患の前ぶれかもしれません。

膝関節は立つ、歩く、座るといった日常の動作をする上で重要な役割を担っています。今回膝関節の仕組みや疾患(症状)、日頃からの対処法について書いていきます。


①膝関節のしくみ
②代表的な疾患(変形性膝関節症)
③症例紹介
対処法(生活面、ストレッチ、筋トレ法)


 

①膝関節のしくみ

膝関節は大腿骨、脛骨、膝蓋骨からなる関節になります。機能的には屈曲、伸展、回旋を行います。また、脛骨の関節面はほぼ平らな形をしていて、その上を大腿骨の丸い先端が転がるように動きます。

膝関節は関節の接する面積が他の関節と比較しても少ない関節で大腿骨と脛骨をつなぐ主な4つの靭帯(前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯)と半月板が膝関節を安定させるために重要な役割を果たしています。関節面は軟骨で覆われていて、関節半月は線維軟骨で構成されています。



 
 

②代表的な疾患(変形性膝関節症)

膝関節で1番多い疾患といってもいいのは変形性膝関節症となります。多くは50歳代に発症します。男女比はほぼ1:3である。変形性膝関節症の85%は内反変形(O脚)を呈します。
 

原因

明らかな原因がないものが一次性、病気や怪我などの原因が明らかなものを二次性として分けられます。
一次性
・加齢による退行性変性(関節軟骨)
・肥満
・長期に渡り膝関節を酷使する仕事をしていた
・遺伝

二次性
・関節リウマチ、化膿性関節炎等による炎症性疾患
・骨肉腫、滑膜性骨軟骨種症等による腫瘍性疾患
・靭帯損傷、半月板損傷、骨折等による外傷
 による分類となります。
 日本では、一次性の分類が大半を占めています。
 

症状

変形性膝関節症の症状について
初期
立ち上がり、歩き始めに膝が痛むが休めば痛みが治まる。

中期
歩くと膝が痛む。正座や階段の昇降が困難。動作不自由。

末期
膝関節の変形が目立つ。膝がピンと伸びず歩行も困難になり変形もでてくる(O脚変形)。日常生活不自由。



上記が症状となります。また、変形性膝関節症で痛みと同様に見られるのが膝の腫れで、この腫れた状態を関節水腫といって膝に水が溜まるという症状です。この水とは関節滑液といいます。関節滑液は関節の摩擦を減らし滑らかに動けるようにする潤滑液です。通常、関節滑液は滑膜という部分から適量が分泌され、やがてリンパ管から吸収されてます。しかし、膝関節やその周辺組織に炎症が起きたり、骨が変形して軟骨同士が擦れたりすると関節内遊離体という異物が関節内に起こりその異物を排除しようとして吸収しきれない量の関節液が分泌されて水が溜まります。








 

③症例紹介

1)患者様情報
・60代女性
・数日前に階段を踏み外して右膝を捻った。

2)身体状況
・数年前に変形性膝関節症と診断される。
・両膝ともに膝関節軽度変形あり。 (右>左)
・膝関節90°屈曲制限(+)
・怪我をする前から、膝の痛みあり運動はしていない。

3)治療内容
R3.10月~現在治療中(週2回程度治療)
治療1週目

膝関節周辺の筋肉の過緊張みられ膝関節の可動域、股関節の可動域も狭い。 腰部~下肢の筋緊張緩和を目的とした手技治療実施。 治療後痛み少し軽快。

治療2週目
下肢の筋緊張残存しているが、痛みの度合いが減ってきたとの事。 股関節、膝関節の関節可動域訓練を含めた手技を実施する。 下肢の保温に努めるように指導。

治療3週目
徐々に関節可動域も広がっていく。 この頃より、患者様も短距離ではあるがウォーキングしていると話してくれる。 痛みのない程度で継続するように指導。
 
まとめ
 来院当初は膝の痛みで行動制限もあり、会話もあまりなかったが痛みが軽減するにつれ表情も明るくなりました。 また、関節可動域訓練も実施して少しずつではありますが関節の動きも良くなり、自発的に歩く機会が増えたとの声も聞けました。 

 

④対処法(生活面、ストレッチ、筋トレ法)

 変形性膝関節症は徐々に進行していく疾患で、変形が起こると元のようにはもどりません。
うまくこの疾病と付き合っていく必要もあります。生活面やストレッチ、筋トレについて書いて行きますので参考にしてもらえればと思います。

1)生活面
・体重減少
 
 体重が増加していると膝にかかる負担も大きくなり痛みも強くなります。医師に肥満と診断を受けたのなら体重減少を目標とし膝に対する負担を減らす必要があります。体重が減ると膝の痛みも軽減できます。
 
・履物(靴)

 靴は足を地面についたときに足首がぐらつかない安定した靴を選ぶようにしましょう。サンダルやヒールなどの足首に負担がかかる履物は避けるようにします。

・歩行
 
 左右の重心がブレてしまうと身体のバランスが崩れて、片側ばかりに負担がかかってしまいます。 ご自身の靴底の減り方を確認してもらえれば、どちらの足に重心がかかっているのかがわかりますので一度確認してみてください。 歩き方が分からないと思う方は、左右のつま先を平行にして歩くように意識して歩くようにしてみましょう。


2)ストレッチ法
太もも前面のストレッチ(大腿四頭筋部)
 ①壁に片手をおき、片足の膝を曲げつま先をもちます。
 ②つま先をお尻の方へ引き寄せ、太ももの前側を伸ばします。
 ③深呼吸しながら15秒キープします
 ④反対側も同様に行い左右②を2~3セット行います。



ふくらはぎのストレッチ
 ① 床に座って両足を伸ばします。
 ② つま先をゆっくりと遠くに伸ばしてすねを伸ばします。
 ③ つま先をゆっくりと手前に引き寄せ、ふくらはぎを伸ばします。
 ④ ②、③を10回程度繰り返します。
  

 




3)筋トレ法
太ももの前の筋肉トレーニング
その1
 ① 足を伸ばして座る。
 ② 膝の下にタオルや枕を置き下に押す。
 ③ 押した状態で5秒キープする。
 ④ ②、③を5セット行う。





その2
 ① 椅子に腰かける。
 ② 片方の足を水平に伸ばす。
 ③5秒そのままでキープする。
 ④ ②、③を5回行う。


  膝の痛みの感じ方も人それぞれ違いますから一概にすべての方にオススメできないかもしれませんが上記のストレッチや筋トレは比較的簡単に自宅でも行える内容となっています。

 膝の痛みから動かなくなることで、さらに膝周辺の筋肉が緊張して痛みが増長しさらに動かなくなるといった負のスパイラルに陥ってしまいます。ストレッチや筋トレを行うことで血液循環も良くなり筋肉の柔軟性も見込めるので気長に行っていく必要はあります。


最後に

 わかくさ整骨院高松院では膝の痛み等で来院されている患者様も多くいますが、症状も様々です。 一人一人に合った手技やストレッチ方法を提案し実施しております。 また症状が重く痛みも強い患者様には鍼治療もご提案させていただいています。

 変形性膝関節症は徐々に進行していきますので初期段階から対策をしていく必要があります。 また膝関節周囲の痛みの感じ方も人により様々で生活に支障が出る場合もあります。早い段階から治療を行うことで生活面での不安等の軽減にも繋がりますのでまずはお気軽にお問い合わせください。

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  • 西山浩太

    このブログの記事は「西山浩太」が書きました。

    尽誠学園高等学校→香川介護福祉専門学校→四国医療専門学校
    2004~2011 デイサービスにて生活相談員従事
    2016~2021 外科医院にてリハビリ業務従事

    国家資格
    柔道整復師
    介護福祉士

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